ことわざというのは、文化や言語をよく表すもの。
スペイン語にも、ことわざは存在します。
そんなスペインのことわざをいくつか紹介します。ここで紹介するものに関しては日本のことわざで該当するものがどれもあったので、スペイン語発音の後に、併記しておきます。《 》が日本のことわざです。
Dime con quién andas, te diré quién eres. (ディメ コン キエン アンダス, テ ディレ キエン エレス)
「誰と一緒にいるかを言ってくれれば、君がどんな人物かを言ってあげるよ。」《類は友を呼ぶ》
De gustos no hay nada escrito, o no se ha escrito. (デ グスト ノ アイ ナダ エスクリト, オ ノ セ ア エスクリト)
「好みについて書かれた文書はないし、書かれたこともない。」
つまり各人好みはそれぞれで何が悪趣味だと判別は出来ない。《蓼食う虫も好き好き》
No hay mal que por bien no venga.(ノ アイ マル ケ ポル ビエン ノ ベンガ)
「世の中、不幸が転じて幸福になったり、逆に幸福が転じて不幸になったりする。」
幸福と不幸とはめぐりめぐってかわるがわるやってくるものだということ。《禍福は糾 (あざな) 得る縄の如し》
Agua pasada, no mueve molino.(アグア パサダ, ノ ムエベ モリージョ)
「水車を通り過ぎた水で水車は回らない。」
一度過ぎたもの、失ったものは元には戻らない。《覆水盆に返らず》
Con paciencia se gana el cielo (コン パシエンシア セ ガナ エル シエロ)
「我慢強く待てば、晴れた空を得られる。」
静かに我慢強く待てば希望もかなえられるだろう。《待てば海路の日和あり》
A su tiempo maduran las brevas, o las uvas (ア ス ティエンポ マドゥラン ラス ブレバス, オ ラス ウバス)
「じっくりと待てばイチジクもブドウも必ず完熟する時が来る。」《待てば海路の日和あり》
Andar con pies de plomo (アンダール コン ピエス デ プロモ)
「鉛のおもりをつけた足で歩く。」
物事を慎重にやること。《石橋を叩いて渡る》
Predicar en el desierto (プレディカール エン ネル デシエルト)
「砂漠での説教。」
誰もいない砂漠で説教をするのと同じで、目の前の多くの人に説教しても誰もまともに聞いていない、てごたえがない。《暖簾に腕押し》
A la vejez, viruelas (ア ラ ベヘス, ビルエラス)
「年寄りの水疱瘡。」
年相応の病気ではないことから、年寄りが年相応でない行動をすること。《年寄りの冷や水》
El tiempo pasa como una flecha (エル ティエンポ パサ コモ ウナ フレッチャ)
「時は矢のように速く過ぎてゆく。」
英語もスペイン語も日本語も同じ表現ですね。《光陰矢のごとし》
No hay caballo, por bueno que sea, que no tropiece. (ノ アイ カバージョ, ポル ブエノ ケ セア, ケ ノ トロピエッセ)
「どんな素晴らしい馬でも躓かない馬はいない。」《猿も木から落ちる》
Quien no se aventura no pasa la mar.(キエン ノ セ アベントゥラ ノ パサ ラ マール)
「危険を顧みず冒険しなければ大海を渡ることは出来ない。」《虎穴に入らずんば虎子を得ず》
El dinero cambia de manos (エル ディネロ カンビア デ マノス)
「お金は持ち主をどんどん替える。」《金は天下の回り物》
Corta es la vida, largo el saber. (コルタ エス ラ ビダ, ラルゴ エル サベール)
「人生は短いが、学問を修める事は限りなく長くかかるもの。」《少年老い易く学成り難し》
英語ではこのsaber(知識・学)がart(芸術)に代わり、”Art is long, life is short.” だそうです。