とんでもない雑誌を見つけてしまいました。
わずか1,800円で、スペインの風景、観光、歴史、経済、芸術、ほぼ思いつく全ての分野をカバーする雑誌があったんです。
講談社から発行されている雑誌「TRANSIT」の22号、「美しきスペイン」
一応、雑誌のカテゴリ的には旅行雑誌なんですが、この本はそんな枠には収まらない!!
全てのスペインを愛する人に贈るバイブルと言っても、きっと過言ではないでしょう。
TRANSIT「美しきスペイン」の内容は・・・
内容の一部を紹介しましょう。
バルセロナ、アンダルシア、サンティアゴ・デ・ラ・コンポステーラなど、スペインの美しい風景を切り取った数多くの写真、
スペインの誇る文化、バル、タパス、ワインの紹介と考察記事、
紀元前までさかのぼって綴られる、スペインの歴史、
スペインの暗黒時代であるスペイン内戦、賛否両論のフランコ独裁とはなんだったのか、
スペインの経済危機はなぜ起こったのか、経済危機の中で生きる失業者達のリアルな声、
スペインを8つの地域に分類し、各地域の特色やそこに住む人々を考察した記事、
フラメンコダンサーや闘牛士へのインタビュー、
男たちがひたすらペネロペ・クルスについて語り倒す対談記事(笑)、
ほぼフルカラーで200ページ超、
一冊読み終えた時には、もうお腹いっぱい大満足!
いやむしろ、頭から一冊通して読むのが難しいほどのボリュームがあります。興味のあるトピックから読んでいくのがよさそう。
お叱り覚悟で一部の写真を載せてみますと、
旅行雑誌的な、奇麗な風景写真、
「スペイン」というものを深く知ることができる読み物、
歴史や政治を、有識者の見解踏まえてマジメにまとめたトピック、
もちろん、スペイン各地の美しい風景写真も素晴らしかったんですが、私が一番興味深く読めたのはスペインの歴史を説明した「スペインはこうしてでき上がった」、そして地域とそこに住む人々について解説した「スペイン人って誰だ?」の両トピック。
イギリスやドイツ、オーストリアなど、ヨーロッパの他地域にも何度か行ったことのある自分がなぜ、ここまで強くスペインに惹かれるのか、やっと分かった気がします。
スペインのあるイベリア半島は、ゲルマン人に支配され、ローマ帝国に支配され、イスラム勢力に支配され、レコンキスタが起こり、と歴史上次々に支配勢力、そして宗教が変遷していった地。
そのため、他のヨーロッパ地域には見られないほど、多様な文化が混在しているんです。
アルハンブラ宮殿のあるコルドバを首都としたイスラム王朝、後ウマイヤ朝は、イスラム教国でありながら、キリスト教はじめ他の宗教の信教を認め、文化や学問、産業面で大きく発展、当時世界有数の大国となりました。
キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の文化が混じり合った都市、トレドは、街全体が世界遺産に認定され、「一日だけスペインにいられるならトレドに行け」と言われるほど、スペイン有数の名所として知られています。
多様であることは、恐らく、政治、経済、文化、すべてにおいて発展の大事なカギなのでしょう。
方や、日本人は、人種と領土がピッタリ一致した、世界で唯一の民族。
「多様であること」から、世界で最も遠いところにいる日本人、私も含め、その日本人が無意識的に憧れてしまう「多様な」国が、スペインという国なのかもしれません。
・・・あ、もちろん美味い食事とワイン、そして一人歩きでもそれを味わえるようなバル文化も、私にとってはかなり重要なんですけどね(笑)
TRANSITを買うには
TRANSIT22号「美しきスペイン」、2013年9月発行のバックナンバーなので、書店で探すのは結構きつく、ネット通販での入手が現実的です。
AMAZONでも見つけることができるんですが、中古品、しかも定価(1800円)より高く売られている場合がほとんどなので、あまりおすすめはできません。
私のおすすめは、FUJISAN.co.jp
ここなら、定価で新品のバックナンバーが買えます。
➡ FUJISAN.co.jpへ
しつこいようですが、スペインが好きなら、マジでこの雑誌は全力でおすすめします。
きっと120%の満足を得られるはず!!