ピカソの絵の価格って、一体いくらするの??
誰もが一度は思い浮かべたことのある疑問なんじゃないでしょうか。
2015年5月、ニューヨークにて、ピカソの作品「アルジェの女たち」が、215億円で落札されました。
215億・・・とんでもない金額です。
ちなみに、落札者は不明(明かされていない)な模様です。
これが、その「アルジェの女たち」。
キュビズムに移ってから、つまり後期のピカソの作品ですね。
この作品の落札額は、美術作品としての落札額では史上最高なんだそう。
つまり、
これまでで最も高く評価された美術作品は、スペインの誇る巨匠、ピカソの作品ということに!
・・・いえいえ、コトはそう簡単ではないですね。
物価上昇や、株式市場の状況なんかも、美術作品の落札額には影響してきます。
ことにアメリカは、世界で最も二極化が進んでいる国、
金持ちはどんどん金持ちになり、貧しい人はどんどん貧しくなっていく・・・。
今回の落札も、アメリカの一握りの大富豪が投資効果を見込んでの入札だったらしく、純粋に美術品としての評価がどの程度であったのかは、正直不明確な部分があると思います。
ピカソの作品が人類の文化にとって貴重なものであることは、疑いありませんけどね。
では、「アルジェの女たち」は、ピカソの作品の中で最も貴重で最も高価なものなのか。
これも、違いますよね。
「売りに出た作品」の中では、最も高値がつけられた作品であるに過ぎません。
ピカソの作品で、最も有名なもの、
それはおそらく、「ゲルニカ」ではないでしょうか。
マドリッドのソフィア王妃芸術センターに展示されている作品は、約3.5m × 約8mという圧倒的なスケールで、見るものを圧倒します。マドリッドに訪れた際は、ぜひ見ておくべき作品の一つです。
もし、このゲルニカが売りに出たら、いくらの値段が付くのか。
思考実験に過ぎませんが、「アルジェの女たち」の例も参考に、ちょっと計算してみることにしましょう。
もちろん、正確な値段なんて出ませんよ。あくまで思考実験ってことで。
絵の大きさで考えてみる
「アルジェの女たち」の絵のサイズは、114cm × 146cmだそうです。絵の面積だと、1.66㎡。
方や「ゲルニカ」は、349 cm × 777 cm で、絵の面積は27.1㎡。
ゲルニカはアルジェの女たちの16倍のサイズだから、価値も16倍で3,509億円!
・・・って、そんなわけないじゃない。。
絵の著名度で考えてみる
「アルジェの女たち」よりも、「ゲルニカ」のほうが有名であることは間違いないでしょう。
じゃあ、どれくらい有名なのか??
正確に計る方法はありませんが、ネット検索の頻度は一つの指標になり得ます。
「ピカソ ゲルニカ」と「ピカソ アルジェの女たち」、
それぞれの検索ボリュームをGoogleで検索してみたところ・・・
「ゲルニカ」のほうが290倍も検索されている!
※ 「ゲルニカ」は都市名、「アルジェの女たち」は別の画家の絵のタイトルでもあるので、「ピカソ」を加えて検索。
この数字をもとにすると、「ゲルニカ」の価値は「アルジェの女たち」の価値の290倍はあるということに。
金額にして、6兆2,350億円!!
とんでもない数字で、現実味は薄い計算だとは思うけど、かたやどこかで「これくらいしてもおかしくないんじゃ?」と思っている自分もいます。だって、「ゲルニカ」だもの。ほとんどプライスレスなレベルの絵だもの。
「ゲルニカ」が売りに出されることはおそらく未来永劫ないとは思いますが、こういう頭の体操も時にはいいものです。