スペインサッカー、リーガエスパニョーラが2015年5月16日からストライキに突入する可能性が出てきています。
スト突入となれば、2011年以来ということになります。
今回は、スペインサッカー連盟(RFEF)と選手会(AFE)が同調してストを表明しているものの、スペインプロリーグ協会(LFP)がこれに反発、訴訟も辞さないという状態。もはや、何が何だかわかりません・・・。
スペインサッカー連盟(REEF)とスペインプロリーグ協会(LFP)って違うの??
まず、よくわからんのが「スペインサッカー連盟」と「スペインプロリーグ協会」があるということ。いったい、リーガエスパニョーラに関する権限はどっちが持っているのか??
これについては、
スペインサッカー連盟(RFEF) リーガを主催
スペインプロリーグ協会(LFP) リーガを運営・管理
ということで、どっちもリーガの開催には関与しているみたいですね。
日本人的感覚だと、「主催者が一番エラいんだ、主催者の決定は絶対だ!」と思ってしまいますが、そこは国によってきっと事情は違うんでしょう。きっと。
今回のストの原因は?
今回のスト、非常にざっくり書いてしまうと、
スペイン政府「放映権の販売や配分に関する法令を変えるよ!」
連盟「内容に納得いかん!ストだ!!」
選手会「賛成する!!」
機構「ストだと!?ふざくんな!」
ということ。まあ、一言で言ってしまうとお金です。
ただ、その中身はいろんな人のいろんな思惑が絡んでいるようです。
もともと、リーガの放映権料というのは一元管理がされておらず、各クラブが個別に放映権料の交渉を行うというスタイルでした。そのため、バルセロナやレアルマドリーといった強豪・人気クラブと中小クラブとの間には大きな大きな格差がありました。
富めるクラブは莫大な放映権料を得てますます富んでいく、中小クラブは財政が厳しく、国内や海外の強豪に選手を引き抜かれていく・・・。
リーガはレアルとバルサの2強支配と言っていい状況が何年も続き、リーグとしての面白味や競争力がどんどん失われていった時代が続きました。
昨年、アトレチコが頑張ってくれましたけどね。
今回の放映権料に関する法令改正は、そんな個別交渉スタイルをやめ、2強に偏り過ぎている放映権を見直し、一括で管理しよう、という趣旨の改正だったのです。
これだけだと、なんだかとってもイイハナシに思えてきます。少なくとも、選手会が反対するような話には思えません。
しかし・・・、
一括管理した放映権料、その配分がまずかった!
今回の案では、一括管理された放映権料の90%が1部のクラブに、10%が2部のクラブに分配されるというもの。どうも、ここが今回のストの原因になっている模様です。
(90%が1部、10%が2部といっても、分配前にLFPやRFEFがいくらか手数料など名目で抜いてはいるハズです)
選手会は、2部や3部のクラブに対し、もっと分配がなされるような法案を求めている模様。
選手にとってはクラブは永久就職先ではありませんから、1部偏重の分配は納得がいかなかったということなのか。
また、選手会は「権利を守るために戦う」という声明を出しています。選手会としては、放映権料の一部を、選手の再就職支援など、クラブではなく選手のために使う資金として確保したいというのが狙いなんじゃないかと思います。
2011年のストでも、選手会はそういう趣旨の要求をしていましたからね。
そして、RFEFはRFEFで、自分たちが抜ける金額が主張金額に満たないことに不満を持っているようです。
どうやら、これまでの情報を総合すると、ストを表明しているRFEFと選手会にも、それぞれの思惑があり一枚岩ではないみたいです。
リーガを戦うのは結局は選手たち、
なので、基本的には選手会の要望が通るような解決となってほしいとは思うものの、リーガ終盤の最も盛り上がる時期にスト突入してしまうのは、一ファンとしては非常に残念です。
ようやく、去年くらいからリーガがコンペティション的にも面白くなってきているので、その日を消さないようにしてほしいものですね。