美食の都、サンセバスチャン。面積当たりのミシュランの星が最も多いこの街では、レストラン、バル、いずれも超レベルが高いです。
ではサンセバスチャンの食は、バルトレストランのどちらを重視して回るべきでしょうか??
いや両方行けよって声が聞こえてきそうですが、人間の胃袋には限界もあるわけで。。。次のディナーが滞在中最後の晩餐だとしたら迷いませんか??私だけ??
せっかくサンセバスチャンに行ってきたので、バルトレストランどちらも行って、その良さを比べてみました。
サンセバスチャンの星付きレストランへ
まずは、旧市街にある一つ星レストラン「ココチャ」へ。
もともとバル派の私の心は、ここで見事に覆されます。
一皿一皿が美しい!
美しいだけでなく、手も込んでいる! このアミューズのソース、マヨネーズソースなんですがふんわりとホイップされているんです。
このプレートが特に美味しかった。丸ごと食べられるソフトクラブというカニの下には、キムチとココナッツミルクが。甘い×辛いのハーモニーが不思議な味でクセになる!
お魚料理は和食インスパイア、出汁をかけていただきます。
ただ美味しいだけではなく、これまで食べたことのないような食感や味の組み合わせ。この嬉しい驚き、刺激は、「美味しい」という言葉では表現しきれません。
料理って、アートなんだなということを生まれて初めて実感。現代アートというものに疎く、ビルバオ観光でグッゲンハイム美術館をすっ飛ばした私ですが、こんなアートなら心の底から楽しめます。
普段は食べるのが早いんですが、コース堪能で軽く2時間は経過。本当に至福の時間でした。
レストランやばい、やっぱりバルと比べちゃうとレストランってワンランク上だなー。サンセバスチャン来たらレストランだなー。
サンセバスチャンのバル巡りへ
レストランの余韻を引きずりながら、翌日バルへ行ってみました。
おおお・・・!
もう、目が楽しい! 至福!! 眼福!!
ちなみに、一つ目がガンダリアス、二つ目がベルガラ、いずれも有名店です。
確かに、味の目新しさみたいなものはレストランに軍配があがるかもしれません。
しかし、バスクのピンチョスは色鮮やかで、盛り付けも美しい。ものすごく食欲をそそります。
好きなもの選び放題、しかも1つせいぜい3〜4ユーロ、お酒に至っては2ユーロとかザラです。お腹いっぱい食べて、飲んでも20から30ユーロあれば十分足りるでしょう。日本で同じだけ飲み食いしたら、おそらく5,000円はくだらないと思います。
まさに圧倒的コスパ。
しかも、サンセバスチャンのピンチョスは肉系、魚系、野菜系といずれも充実しています。その気になれば、コース料理のようにピンチョスとお酒を組み立てることもできちゃうんですね。
ワイングラスも店によっては大きなグラスで出るし、グラスワインの選択肢も多いです。
やばい、やっぱりバル最高! バルこそ至高!!
バル、レストランそれぞれの良さをまとめてみる
手のひらくるくるしてしまったサンセバスチャン滞在ですが、自分なりにバルの良さ、レストランの良さをそれぞれ感じましたのでまとめてみます。
バルの良さ
・ 料理の味や見た目は(他の街での)普通にいいとこのレストラン並み
・ それでいて価格は非常にリーズナブル。(これは特に、お酒が安いことが大きいです)
・ 予約がいらない。ふらっと行ってふらっと入れる。予定は未定で全然OK。
バルの難点
・ 人気店はほぼ戦争状態。待っていても注文は取ってもらえないので、とにかく自己主張を強くしないと何も食べれない。
・ 美味しい料理の余韻を楽しむというのも難しい。日本のラーメン屋のように、さっさと食べてさっさと出ろ、の世界。
・ 基本、立ち食い。なので結構疲れる。
レストランの良さ
・ 星付きレストランになると、料理の質はやっぱりバルより上。
・ 座ってゆっくり食事を楽しめる
レストランの難点
・ 高い。
・ 予約がないとなかなか入れない。
こんなところです。
コスパで言えば断然バルなんですが、その分人がいっぱいなので疲れますね。バルによっては外のテラス席で座れたりするんですが、よほど早い時間に行くか、予約をしていかないと厳しいです。
人気バルはとにかく忙しないので、短時間でガッと食べて満腹になってしまい、夜の時間を持て余しがちにもなります。私もバルに行った時は8時に食べ始めて9時には3件回って満腹になってしまい、この後の時間どうしよう、みたいな状態になりました(笑)
ゆっくりと食事の時間を楽しみたいなら、レストランの方が良いですね。
バルもお昼は比較的空いているので、昼はバル、夜はレストランというのがサンセバスチャンを一番楽しめる形かもしれません。