スペインの夏は暑いです。
特に、アンダルシア地方では、気温は内陸部では40度を超す日も多く、コルドバ県の村々は「スペインのフライパン」と呼ばれるほど、
しかし、日本ほど湿気が多くないスペインは、気温は高くとも割と過ごしやすく、日中でも日陰に入るとさっと涼しく汗も引きます。
またアンダルシアの家々は夏向きに作られ壁は白く塗り、床も大理石などの石を使っているので中に入るとけっこう涼しいです。
それでも皆、「暑い」、「暑い」と連呼します。聞くだけでよけいに暑く感じるのですが、黙っていられないのがスペイン人です。
スペインの夏バテ対策は、まさかの・・・?
さてそのスペイン人は、夏をどう凌ぐのか???
シエスタもそうですが、こちら何と仕事の勤務時間を変えてしまいます。
会社は、7月と8月は夏の集中勤務を採用するところが多く、勤務は朝の7時からお昼の3時までなど。
通常は9時から2時まで勤務し、いったん休んだ後夕方5時から8時まで、
もしくは日本と同じように9時から6時の勤務時間ですが、夏の間は涼しい朝早くに出勤して、お昼を取らずに通して3時までで勤務終了してしまいます。
さすがは、(基本)働くのがキライなスペイン人!これは日本人にはでてこない発想です。
これだと、帰宅してから昼食を取って(スペインの昼食は、日本より遅めの時間帯です。)、夕方から買い物をしたり、大好きな海水浴や日光浴も充分できます。
子供たちも夏休みですし、家族で夜9時頃まで海岸でごろごろ。そして家に戻ってシャワーを浴びておしゃれして、近くのバルやレストランに夕食に繰り出し夜遅くまでテラスでわいわい楽しみます。
たとえ早朝出勤でも平気。
彼らの夏バテ防止は、「楽しんで暑さを忘れる!」に尽きるようです。
アンダルシア地方の夏バテ防止の食事
アンダルシア人の夏バテ防止の食事ですが、まずは「ガスパッチョ」。
冷製野菜スープ(トマト・キュウリ・ピーマン・玉ねぎ)ですが、コップでジュースのようにいただくことも多いです。
その変形の「サルモレッホ」はコルドバ発祥。ガスパッチョの材料からキュウリを外し、パンの量を増やし水を減らして作ったクリーミーなスープで、生ハムやゆで卵のみじん切りをふりかけます。
どちらもニンニク、オリーブオイル、塩、お酢そしてパンが入るのですが、暑くて食欲のない夏には手軽で栄養補給でき、夏バテ防止に最適です。
そのほか、夏バテ対策というわけではありませんが、アンダルシアの海岸沿い、コスタ・デル・ソルでは魚介類のフライ(マラガ風魚介類のフライ盛り合わせ)やサーディンの串焼きなどが夏の風物詩です。
付け合わせのサラダはトマトにツナを合わせ、オリーブオイルとビネガーで合えた上にニンニクのみじん切りをふりかけたシンプルなものが好まれます。
それらの食事に合う夏の飲み物はその名の通り、ティント・デ・ベラノ(夏の赤ワイン)。これは赤ワインをカセラという甘めのソーダやファンタレモンなどで割ったもので、赤ワインだけを飲むのとは違いさっぱりとした味わいで、グラスに氷とレモンの輪切りを入れていただきます。
スペイン人、やっぱり人生を思いっきり楽しむ人たちですね!