セルバンテス文化センターでの文化コース、「火祭りとバレンシアワインセミナー」に参加してきました。セルバンテス文化センターは、スペイン語学習以外の講座もかなり充実してます。
講師は常田諭史氏。ソムリエ資格を持ち、銀座スペインクラブのワイン店舗の店長も務めている方です。過去にバレンシアに1年間程度住んでいたこともあるそう。
講座の内容は、バレンシアの都市や火祭りの内容についての説明を受けながら、つまみとワインを楽しむというもの。バレンシアについてのレクチャー「3」に対して、ワイン「7」くらいの割合。つまり、飲み食いがメインということですw この手の講座に参加する方のニーズにマッチした、よい割合だと思います(笑)
この日のワインは、
サングリア(sangria)、
ロゼワイン(vino rosado)、
赤ワイン(vino tinto)2本、
オリーブ、ナッツ、パエジャ、マンチェゴチーズ、イベリコ豚のサラミ。
バレンシアの講座ですが、パエジャはウサギ肉の入った”valenciana”ではなく海鮮メインの”mariscos”でした。
2時間半程度のコースで、お値段は5,000円。
個人的な印象では、高くもなく安くもなくって感じでしたね。
今回の講座の素晴らしかった点は2点、火祭り職人インタビューとバレンシア産赤ワインです。
火祭り職人インタビュー、ひっじょーに興味深かった!これに関しては、別記事を1本とってまとめようと思っています。
ぶどう品種「ボバル」を使ったバレンシア産赤ワイン
今回の講座内で振舞われた赤ワイン2種、
Mestizajeと、
Finca Terrerazo、
いずれも素晴らしかった!
これらはいずれもバレンシア州のボデガ、ボデガス・ムスティギージョで作られるワインなんですが、あまり知られていない「ボバル」というぶどう品種を使って作られるのだそう。ボバルという品種は、一つの房に粒がぎっしりとなり、重いもので一房で3〜4キロもの重量になります。
大量のぶどうがとれるものの、その密度ゆえなかなか均等に色づかず。そのせいもあってか、基本的にはバルクワイン用の品種として扱われていたそうです。
そんなボバルの評価を一変させたのがこのボデガス・ムスティギージョ。
この日のワイン”Finca Terrazzo”はボバル100%の品種ですが、スペインワインの最上位カテゴリーである”vino de pago”に位置付けられるという素晴らしいワインです。
これ、スゴくないですか?バルクワインのぶどう品種で最上位のワインを作ってしまう、
サバやアジのような魚を使ってミシュラン三ツ星の料理を作ってしまう、そんなイメージでしょうか。
・・・うーん、我ながらあんまり例えがうまくないな。。
”Mestizaje”のほうは、ボバルの他、テンプラニーリョ、シラー、 メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨンなどがブレンドされたワイン。ランク的にはここのボデガのカジュアルラインだそうです。
いずれも、重厚ですが非常に口当たりがよく、これぞスペインのtintoというワイン。”Finca Terrazo”が美味しいのは当然として、驚きだったのは”Mestizaje”のほう。これがカジュアルラインってのは、個人的には信じられませんでした。
グラス1杯1,500円って言われても、何も違和感ないレベル。
残念ながら”Finca Terraza”は日本では入手困難なワインのようですが、”Mestizaje”はスペインクラブ銀座の店舗でも売っている模様。楽天でも、取り扱っている店舗がありました。ボトル1本3,000円程度なので、重厚な赤ワインがお好きな人はぜひ試してみてください。たぶん圧倒的なコスパに驚くと思います。