日本で「上司にゴマをする」って言葉があります。
上司に逆らわず、ひたすら持ち上げ、お世辞をいい、揉み手をして、ヨイショする。揉み手の形があたかもゴマを擦りおろしてるように見えることから、生まれた日本語の表現です。実際に揉み手をする人は見たことがありませんが、目上の人に(心にもない)お世辞を言ったこと結構ある人多いんじゃないでしょうかね。
なんだかとても日本人的な価値観、そして言葉だなあ、と思いますが、どうやらスペイン語にも、「ゴマ擦り」にあたる言葉があるらしいです。
陽気に見えるスペイン人、でも勤め人の苦労ってのは、どこの国行っても同じなんだなあ。。
スペイン語で「ゴマをする」は何という?
スペイン語の「ゴマすり」に相当する表現、これは、スペイン人とメキシコ人で異なります。
スペイン人のスペイン語では、
”Hacer la pelota”
という模様。
”pelota”は、ボール、という意味です。
一方で、メキシコ人のスペイン語では、
”Hacer la barba”
といいます。
”barba”は、あごひげ、という意味です。
なんとなく、後者の”Hacer la barba”はニュアンスがわかりますね。あごひげに何かをする、あごひげを整える、とかそんな感じで、自分を良く見せようとするというニュアンスが含まれているんでしょう。
一方の”Hacer la pelota”は、なぜ”pelota”なのか、スペイン人に聞いても理由は知らないとのことw 慣用句として成立しちゃって、あんまり意味合いを考えることとかないんだそう。日本語にも、この手の言葉は多いですよね。
他の言語にもある、「ゴマすり」
この話題、スペイン語クラスメイトや先生との飲み会でワイワイ話てたんですが、話題はいつのまにか中国語に。
んで、中国語での「ゴマすり」は、発音は忘れましたが、「馬の尻を叩く」という意味合いの言葉があるのだそう。そして、これ、とても悪い意味合いの言葉なんだそうです。
日本語での「ゴマすり」は、「ああ、ヘコヘコして仕方のない奴だなあ」、程度のニュアンスですが、中国語のこの言葉は、「自分が上に行くためには何でもする、最低な奴」というニュアンスがあるんだそう。
英語の表現には、もっと直球でわかりやすい、”butt kiser”という言葉もあります。直訳で「お尻にキスする人」、意味は日本語でいう「おべっか使い」なんだとか。
ゴマすりよりだいぶイメージが悪い単語が選ばれてますよね。アメリカ人的には、相当かっこ悪い行為なんでしょうか。
言語や国によって、言葉のニュアンスや意味合いって全然違うんだ、ということを改めて実感したトピックでした。これだから、外国語を勉強するってのは面白い!