今回は、スペイン語の映画を紹介します。
スペインでは映画館の入場料が日本と比べて非常に安く、場所によって違うのですが1本4~9ユーロくらいで見ることができます。
ただ、これでもこの1,2年の経済危機で40%ほど上昇したのです。ですから値上げ前は2ユーロくらいから見ることができた計算になりますね。
新作DVDレンタルするのとあまり変わらないので、スペインの人はよく映画館に足を運びます。
それでは早速おススメのスペイン語の映画を紹介していきましょう。
この記事のもくじ
CARMEN(Carlos Saura/1983/スペイン)
スペインといえばなんといってもフラメンコ。
巨匠カルロス・サウラ監督の描く、現代版カルメンです。
劇中にはアントニオ・ガデス、パコ・デ・ルシアなどの豪華出演陣。そしてなんといっても見どころはフラメンコの練習シーン。ものすごい迫力で迫ってきます。
主役のフラメンコダンサーのカルメンと、同じ舞踏団のアントニオが恋に落ち、そこからはじまる愛憎劇を原作になぞらえてストーリーが展開していきます。
この映画が日本で公開された当時、これがきっかけになって第一次フラメンコブームが起こりました。みなさんカルメンに憧れて、こぞってフラメンコ教室の門をたたいたのです。しかし、この映画を見るとフラメンコを始めたくなる気持ちもよくわかります。
VENGO(Tony Gatlif/2000/スペイン・フランス・ドイツ・日本)
監督のトニー・ガトリフはフランス人です。
彼の作品にはロマなどを扱った作品も多く、このVENGOもその一つです。ロマ文化とフラメンコに触れることのできる作品になっています。
主演はフラメンコ舞踏家のアントニオ・カナーレス。出演のロマミュージシャン達もフラメンコ会の一流どころばかり。カルロス・サウラの描くフラメンコの世界とはまた趣が異なる、ロマの熱いフラメンコの世界を垣間見ることができます。
アントニオ・カナーレス演じるロマコミュニティのボスであるカコ。娘を亡くしてしまい、毎日涙にあけくれる日々を過ごしていました。そんなとき、兄弟が殺人を犯して逃げていることを知ります。
ロマ文化独特の復讐と誓のはざまに翻弄されるカコ、フラメンコのリズムと旋律が各シーンに彩りを与えています。
LA GRAN AVENTURA DE MORTADELO Y FILEMÓN(Javier Fesser/2003/スペイン)
モルタデーロ・イ・フィレモンとはスペインの国民的漫画のタイトルです。この漫画の最初の出版が1958年ということなので、もう50年以上も続いていることになりますね。
そしてこの超有名な漫画を初実写映画化したのがこの作品です。
モルタデーロとフィレモンというのは主人公の2人の名前です。この2人が引き起こすドタバタギャグの連発からは目が離せないでしょう?
言葉がわからなくても楽しめる映画です。
EL SUR(Víctor Erice/1983/スペイン・フランス)
この作品は、1996年のスペイン映画生誕100年記念イベントでの投票で6位を獲得しています。
巨匠ビクトル・エリセ監督は寡作なことでも知られています。このエル・スールの発表後、次の作品のEl sol del membrilloの完成までには9年もかかっています。
あまり映画を撮らないこの巨匠の作品には、それだけに魂がこもっているのです。
スペイン北部に住む親子の物語、娘の成長に伴い、父親がスペイン南部(エル・スールとはスペイン語で南を意味します)に想いを抱いている事に気づきます。徐々に明らかになっていく父親の秘密。スペイン北部の美しい緑の抒情詩です。
最後に
紹介しきれませんが、まだまだ素晴らしい作品がスペイン映画界には存在します。これをきっかけにスペイン映画の世界を堪能してみてください。