一足早く開幕したイングランド、プレミアリーグに続き、いよいよリーガエスパニョーラの開幕も近づいてきました。昨シーズンはバルセロナが王者に返り咲き、かつ3冠達成を果たしましたね。
2015−2016シーズンの有力チームの状況と、優勝チームを予想してみます。
バルセロナ
昨シーズン王者のバルセロナ、
ルイス・エンリケ監督のもとで2シーズン目に突入です。何気にルイス・エンリケは就任シーズンでの3冠達成と結果だけ見ればグアルディオラと同等の偉業を成し遂げてるんですが、あんまり評価されてる感がないんですよね^^;
そんなバルセロナですが、今年は盤石な感が漂います。
シャビの退団という大きなトピックがありましたが、これは数年前から予想済みの事態。出場すれば存在感を見せていたものの絶対的なレギュラーではなくなっていましたので、チームへの影響は限定的。というか、今のバルセロナは前線の3枚が強力すぎて、イニエスタですら存在感が薄くなっているようなチームですからね。
新加入選手もアルダ、ビダルとリーガにすでに馴染んでいる選手で、順応にそれほど時間はかからないでしょう。特にアルダはシャビの後釜として使え、かつ状況によってはベンチに置いておいても問題ない選手(本人や周囲の反感的な意味でも)。本当にいい補強だと思います。
あえて問題点を挙げるとすれば、エンリケ監督の求心力。昨年もメッシとの不仲(これはほぼ実話でしょう)が顕在化しかけましたが、再びそういう事態になれば、今度こそエンリケ監督の退団は避けられないはず。
このチームは、数年前からメッシのチーム。別の意味で、”Mas que un club”な存在になってしまったメッシが劣化しないうちは、チームは大崩れはしないはずです。バルセロナというチームのアイデンティティからすれば、これは「残念ながら」と言うべきなんでしょうけどね。
レアル・マドリード
昨シーズン2位のレアル・マドリードですが、今年はすでに、派手に転げた感が濃厚です。
アンチェロッティを解任するというこれ以上ないであろう愚行を犯したペレス会長。今の世界にアンチェロッティ以上にレアルの監督をこなせる人物がいるとは思えないんですが・・・。
ベニテスの元でチームの再構成を余儀なくされていますが、話題の中心はベイル。今年は中央でのプレー機会が増えるんではないか、と言われていますね。これは、ベニテスではなくペレスの意向が強く働いているであろうことは想像に難くありません。
長期にわたってカピタンを務めたチームの象徴カシージャス(既に退団)への仕打ちを見ても、今年のレアルが一枚岩になれるとは正直思えないです。セルヒオ・ラモスの退団こそ避けられそうな状況になってきましたが、彼にしてももはやチームへの忠誠心はないんじゃないでしょうか。
ベイルの起用法を巡ってロナウドがヘソ曲げることも十分あり得ますし、そもそも選手の大半がアンチェロッティの続投を希望していたという事実もあります。ベニテスがチーム作りに手間取るようだと、今年はCL出場権をかろうじて得る、というところまで落ち込むかもしれません。デヘアが来るとか来ないとか、そういう問題ではない。
しかし、本当にこのチームは自らイバラの道に突っ込んでいくのが好きですね。
たぶん、3年もすれば今のメンバーの大半はチームからいなくなっているんだろうなあ。。
アトレティコ・マドリード
すっかり「リーガの3強」たる地位を確立した感のあるアトレティコ。
今シーズンは、マンジュキッチが抜けた前線にポルトのジャクソン・マルティネスとビジャレアルから期待の若手ビエットを補強。アルダが抜けた中盤にはカラスコ、ミランダが抜けたディフェンスにはサヴィッチを獲得。
リーガ制覇時の左サイドバック、フィリペ・ルイスの復帰も決まり、ポジティブな材料にあふれています。シメオネのことだから、きっちりと開幕までにメンバーを「調教」してくるでしょう。
しかし、アトレティコっていつの間にこんなに補強が上手くなったんでしょう。アグエロの売却資金を全額ファルカオにダンクシュートかましていた、あのロックなアトレティコはどこへいってしまったのかw
そんなことしたらフロントがシメオネに締めオネされるんだよ。
今年のアトレティコは、バルセロナと優勝争いをするんではないかと見ています。今年に限って言えば、レアルよりはアトレティコのほうが期待できそうです。
バレンシア
昨年、ヌーノ監督のもとでチームの立て直しに成功し、見事チャンピオンズリーグ出場権を獲得したバレンシア。リーガで最も若いチームは、今後の成長、躍進が期待されるところ・・・
・・・だったんですが、今年の見通しは明るくありません。
もともと、ネグレド、ロドリゴ、アンドレ・ゴメスといった昨年の移籍組の買取義務行使が多く、純粋な補強に使える資金があまりなかった模様で、ジャクソン・マルティネスをはじめとした候補の獲得に軒並み失敗。戦力的な上積みが現時点でサンティ・ミナとバッカリ程度という状況です。
プレシーズン中にはルフェテとヌーノ監督が衝突、ルフェテやアジャラが辞任するという事態に。ルフェテはともかく、アジャラはオタメンディやオルバンを引っ張ってきた実績があるので、チームにとってはかなりの痛手です。
昨年の躍進もヨーロッパでの戦いがなく日程的に余裕があったことが要因の一つ。CLとリーグ戦の二足の草鞋を履くことになる今季は、前線とディフェンスに計算できる新戦力が必要だったはずです。今年は再びチャンピオンズリーグ出場権を取れれば大成功、ヨーロッパリーグ出場権で及第点といったところじゃないでしょうか。
とはいえ、昨年もガヤやアンドレ・ゴメス、オタメンディといった開幕前はほぼ無名だった選手が躍進を遂げたシーズンだったのもまた事実。今年も、若手の中から新たな発見があるかもしれません!?
セビージャ
エメリ監督のもと4シーズン目を迎えるセビージャ。
昔から選手売却、補強の上手さに定評のあるクラブでしたが、選手のやりくりの上手いエメリは完全にはまり役でした。
中盤のビダル、前線のバッカとチームの核となる選手を放出しています。普通のクラブであれば不安にもなるところですが、ことセビージャだと、「結局うまいことチーム作ってくるんでしょ?」という気がしちゃいます。ラキティッチ引き抜かれても、ほとんどビクともしませんでしたしね。
今年は、ディフェンスにミランからラミ、中盤にセルタからクローン=デーリ、前線にイアゴ・アスパスやチーロ・インモービレらを補強。ビダルやバッカと比べるとネームバリューに劣る選手たちで、現時点では戦力の低下は避けられなそうに見えますが、果たして・・・?
おそらく、それでもエメリは今年もチャンピオンズリーグ出場権を争えるチームに仕上げてくると思われます。