2015年の観光競争力レポートで、スペインが第１位に輝きました！
このレポートは、２年に１度世界経済フォーラムから発行されているレポートで、旅行・観光業の関係者向けのインフラ、環境などを総合して各国の観光競争力をランキング化したもの。
つまり、観光客の好感度ランキングではなく、ビジネス向けのかなり緻密なレポートになっています。
スペインは2013年は第４位だったのですが、2015年にめでたくトップに。
さすがは、観光大国です。
ちなみに、この年のランキングで日本は９位となり、初のトップ１０入りを果たしています。結構話題にもなっていましたね。
こちらも素晴らしい！
観光競争力レポートから浮かび上がってくるスペインの姿
このレポートを見ると、現在の「リアルなスペイン」像がよくわかります。
ちょっと、詳しく見てみましょう。
レポートでは、様々な項目があり、項目ごとに評価点がつけられています。
項目は、大項目が３つ、中項目が１４個、そして小項目が多数あるんですが、ここでは中項目に注目してみます。
中項目を列挙すると、
Business environment（ビジネス環境）
Safety and security（安全とセキュリティ）
Health and hygiene（健康と衛生）
Human resource and labor market（人的資源と労働環境）
ICT readiness（情報通信環境）
Prioritization of tour and tourism（旅行や観光のプライオリティ）
International openness（国際開放性）
Price competitiveness（価格競争力）
Environmental sustainability（環境の持続可能性）
Air transport infrastructure（航空インフラ）
Ground and port infrastructure （陸運・海運インフラ）
Tourists service infrastructure（旅行者サービスのインフラ）
natural resource（自然資源）
cultural resource（文化資源）
となっています。
中項目の下にもろもろの小項目があり、その合計スコアで中項目のスコアが決まっているっぽいのですが、多すぎるのでそっちは割愛します。
これらの中で、スペインが相対的に高い評価を獲得していると言えるのは、
旅行や観光のプライオリティ (5.89)
旅行者サービスのインフラ (6.59)
文化資源 (6.68)
です。
これは、一般的なスペインの印象通りなんじゃないでしょうか。スペインが国を挙げて観光に注力していることが、数字からも明らかになっています。
逆に、スペインが低評価なのは、
ビジネス環境 (4.09)
でした。
これも、なんか納得w
日曜日にデパートや商店があらかた閉まっている国民性です。ビジネスなんて、メシ食うための手段くらいにしか思ってなさそうですからね、スペイン人。。
価格競争力も国際的に見れば低水準なんですが、それでも西欧諸国の中ではポルトガルと並んでダントツに高いスコア（4.22）でした。フランスやスイス、イギリスの価格競争力は２点台、ドイツやイタリア、北欧諸国は３点台です。
ちなみに、日本の価格競争力は「3.75」だそうです。
スペインの治安は改善しているのか？
世間一般の印象と大きな差があるのは、
安全とセキュリティ（5.97）
ではないでしょうか。
「スペインの治安は悪い」というのは一種のステレオタイプになっていますが、このスコアはフランス（5.44）やイタリア（5.68）、さらにイギリス（5.44）よりも高いスコアです。
安全とセキュリティは、小項目の判断材料として「交通事故の死者」や「警官の信頼度」、「犯罪や暴力に対するコストの低さ」、「テロに対するコストの低さ」などが含まれているので、旅行者が考える「安全」とは意味合いがちょっと違ってきているかもしれません。
※ 参考に、日本のスコアは「6.05」だそうです。
それでも、「スペインは治安が悪い」は現在のスペインには当てはまらないと考えてよさそうです。
まとめ
個人的な感覚ではありますが、この観光競争力からわかるスペインの姿は、
・ 見どころには事欠かない
・ 観光に注力しているため、旅行者に対するサービスも良い
・ そこそこ安く、そこそこ安全
というもの。
これは、実際に訪れてみたスペインの印象に近いです。あらゆる旅行者にとって訪れる価値があり、また楽しめる国と言えると思います。
スペインの景気が悪化し、失業率も上昇して久しいですが、ぜひとも今後も高い観光競争力を維持して欲しいですね。
